今回は鉄の「材料」のはなしをします。
いわゆる鋼材と言うものですね。
皆さん、鉄工所というと鉄を扱うことはイメージがつくと思います。
しかし、鉄(鋼材)は製鉄所で作られているんです。
鉄は、鉄鉱石という岩石を熱で溶かして作ります。原産国はウクライナ、ロシア、中国、ブラジル、オーストラリアです。これらの国が殆どのシェアを占めています。
(どんな材料もそうですが、鉄も、世界情勢に原価が大きく左右されております…
平和で安定した世界を願います…)
この鉄鉱石には鉄だけではなく、いろいろなものが混じっているために、鉄だけを取り出すことが必要なんです。
昔の人は鉄鉱石を炉でどろどろに溶かして、鉄を取り出していました。しかし、溶かすだけではいい鉄になりませんので、今はもっと改良されています。
今の鉄の取り出し方は、まず、鉄鉱石と石灰、コークス(石炭の中から炭素だけ取り出したもの)を「高炉(こうろ)」というものに交互に積み重ねます。次に高炉の下の口から約1200度の熱い空気を送って、溶かします。石灰やコークスを混ぜるのは、一緒に入れると鉄が取り出しやすいという理由からだそうです。
全体が溶けてくると重い鉄は下に沈み、他のものは上に浮いてきます。このようにして鉄だけを下の方から取り出すのです。
そして、取り出した鉄を別の炉に取り、パイプで酸素を吹き付ける。そうすることで鉄以外の余分なものが追い出されて「はがね」といわれる頑丈な鉄が出来上がるのです。この「はがね」を使って、いろいろな鉄の製品が作られています。
鋼材には品番があり、最もポピュラーな鋼材はSS400といいます。建築に関わる人ならすぐピンときます。そこで、建築中の小売展示場の名前を「zaccabar SS400」にしようと思ったんです。鉄工所の店としてわかりやすいかなーと。
…が、速攻で却下されました笑
確かに一般の方には伝わりませんねー。「バイク屋さん?」「電車の名前?」的な?わかりやすくてカッコイイとおもったんですが…
さて、このように製鉄所で加工された鋼材を切ったりくっつけたりするのが私ども鉄工所なんです。きちんと「はがね」になっているかどうかが建築する建物の強度に関わるので最も大事ですよね。
鋼材は他に、鋳物製作所や鍛冶屋さんでフライパンになったり刃物になったりしています。
以上、そもそも鉄とは?
でした。
ちなみに小売展示場の名前は「zaccabarののありか」になりました。色んなのの集まるところと言う意味だそうです。鉄工所のイメージ、皆無です笑
皆さん、鉄工所の展示場ということをお忘れなく!